LESBIAN CINEMA PARADISE

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初恋-終章


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序章  第一章  第二章  第三章  第四章  第五章  第六章
第七章  第八章  第九章  第十章  第十一章


あのコから絵葉書が届いて、少し迷ったけど逢うことにした。
迷ったのは、このまま逢わないでいれば忘れられるかもしれないって思ったから。
だけど、そんな思考よりも、もう一度、できればもう一度あのコに逢いたい、あのコに触れたいって思いが強くて、その衝動を抑えるなんてことは不可能だったし、抑える努力もしなかった。


電話をして逢う日と待ち合わせの場所と時間を決めた。
あのコは神戸の家に帰ることになってたから、神戸で逢うことにした。
どこ行きたい?って訊いたら、どこでもいいって返事が返ってきた。
だからちょっと鎌をかけてみたくなった。




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神戸って言ったら北野の異人館がデートコースで有名だけど・・・?

あ、異人館って行ったことない。

じゃ、異人館行こっか。

うん。


いとも簡単にあのコとの異人館デートが決まってしまった。
異人館ってホントにデートコースなわけで、関西の女の子たちが恋人とのロマンチックなデートを夢見る所。
ただ久しぶりに友達と会うだけなら異人館じゃなくてもいいわけで・・・
それにあたしがデートコースだって言ったのにもかかわらず行きたいって言ったってことは・・・?
なんて、一人で勝手にいろんなことを考えた。
期待いっぱい、下心いっぱいだった。


その日からあたしはガイドブックをかき集めて、北野で評判のいいレストランを予約したり、休憩に立ち寄るカフェのメボシをつけたり、「デート」の下調べに余念がなかった。
あのコのことは職場の後輩には話してあったから、向こうから連絡があって近いうちに逢うことになったことも打ち明けた。
すると後輩は、そうですか楽しみすね、と言っただけだった。
エプロンの子にはあのコのことは何も話さなかった。



そして、デートの前夜。
後輩から電話があった。


先輩、あの・・・ 

私、先輩にこんなこと言う権利ないんですけど・・・

明日・・・ あのコさんと・・・ 

できたら何もしないでください・・・


そんな風に言う後輩に、あたしは笑って、何もするわけないじゃん、と応えたけど、本当は自分のそんな言葉を守るつもりなんて全然なかったんだ。



いよいよ、異人館デートの当日。
あたしをフッたことを後悔させてやる、って意気込みで、自分なりに思いっきりオシャレをして出かけた。
だけど、実はこの日のことは、たぶん緊張しすぎてて、ところどころしか覚えていない。
待ち合わせがどこだったのか、たぶん駅だったと思うけど、異人館の最寄の駅は大きな駅で、その駅のどこで待ち合わせしたんだろう。
ただ、覚えているのは、半年以上振りにあのコに逢ったのに、思ったほど感動しなくて、それどころか、あれっ、あのコってこんな感じだったっけ?って思って、そしてそんな自分に少し驚いたこと。だけど、それはきっと緊張しすぎてたからだとその時はそう思った。

待ち合わせはお昼前だったから、まずはランチ。
評判のいいレストランを予約したのはいいけど、行ったことのないレストランだったので、場所がわからなくて、やっと見つけたと思ったら、今度は入り口がわからなくて、ここかなと思って入ったところが別のカフェの入り口で、一旦席に座ってからそれに気がついてあわてて飛び出した。
そんな何ともみっともないデートの振り出しだったけど、いざレストランに入ったら後はスムーズで、あたしはアメリカで身に着けたレディーファーストを徹底実践した。あのコが不安にならないように後ろから腰のあたりをさりげなくサポートしながら、テーブルまでレディーを先に。
さすがに椅子を引くところまではしなかったけど(笑)

そのレストランは料理も雰囲気も評判どおり。
・・・って実は何食べたかすら覚えてやしない。
薄暗い店内はテーブルにろうそくが灯っていて、男女のカップルだらけだった。
あのコと何か話したはずなんだけど、何話したんだろう。
きっとアメリカの大学院のこととか、そこの日本人グループのこととか。
マーチンのことはきっと何も訊かなかったと思う。だって、アイツとは長く続くわけないってハナっからそう思ってたから。
あのコがいつになく緊張しているみたいで、レストランがちょっと気取りすぎたのかな、って思ったことはハッキリと覚えてる。こういう気取ったレストランなんてアメリカじゃめったに行かないし、しかも学生の身分ならなおさら。
でも、ランチのコースが進むにつれてお互いに緊張もほぐれてきて、最後のデザートまでしっかり平らげて、じゃ、いこっか、とあたしは伝票を持ってさっさとレジに行って支払いを済ませた。

natちゃん、いいの?

と訊くあのコに、うん、って言うと、ごちそうさま、ってあのコは言った。


それからは北野異人館めぐり。
だけど、あたしにとっては異人館は初めての場所じゃなくて、正直どうでもよかった。
あのコも異人館そのものにはそんなに感動している風じゃなかった。
だけど、いくつかの異人館の入場券がセットになってるチケットを買ったから、二人でとりあえず順番に異人館巡りをした。
夏休みの最盛期はまだ先で、異人館通りはそれほど人込みがあったわけじゃないけど、それでも人通りは絶えなかった。

kitano.jpg

あたしは、ずっとあのコに触れるチャンスを伺っていたんだけど、二人きりになれる場所なんてどこにもないわけで・・・

そうこうしているうちに、あのコとあたしはチケットのコースにある最後の何とかの館に入った。
そこは比較的人が少なくて、あたしはあのコと二人きりになれる空間を探して、その館の上の階へ上の階へと上って行った。

とうとう、最上階。

いくつもの階段を上ってやっとたどり着いたその狭い空間には、古い絵が飾ってあって、眺めのいい窓があるだけだった。
期待外れのその場所に、あのコもがっかりした風だった。
そして、そんな期待外れの場所にも、やっぱり人がいた。
その人たちが居なくなるのを待つほど、その部屋には観るものがあるわけじゃなかったし、前にいた人たちがいなくなると次の人たちが階段を上がってくるという状態だったから、窓から外の景色を眺めるあのコの後姿を見て、あたしは抱きしめたいのを我慢するしかなく、二人ですぐにまた階段を下りてその何とかの館を後にした。

こういう運命なのかな・・・、あの時何となくそう思ったのを覚えてる。

そして、その後はどこで何をしたのかこれまた記憶がない。
覚えてるのは、北野坂を降りる途中にアメリカンなグッズのお店があって、そのお店で色んなおもしろいモノを見つけて二人で笑ったこと。
そして、北野はラブホテル街でも有名だったなと思い出して、どうしてそっちの下調べをしなかったんだろう、って一人でこっそり後悔したこと。

あの日、ホテル行こっか、って誘ったらあのコは何て返事しただろうか・・・



帰りは、あのコが大阪の家に帰ると言ったので、二人で電車に乗って大阪まで戻って、地下鉄の駅に行った。
その駅からは、あたしの帰る方向とあのコの帰る方向が全く逆。
そっちの駅まで送るよ、って言ったら、いい、ってあのコは首を横に振ったけど、そっちの駅のホームまで行ったらまた逆の地下鉄に乗って帰るから、と納得させて二人で一緒に地下鉄に乗った。
その地下鉄はあっと言う間にあのコの駅について、二人でホームに降りた。
これで最後なのに、お互いに何を話していいかわからなくて、無言のままホームに立ち尽くしていた。

逆方向の電車は容赦なくやってきて、あたしはただの友達に言うように、じゃあね、と言ってその地下鉄に乗った。
無理をしてそんな風に振舞ったわけじゃなかった。自分でも不思議なくらい、あたしに未練はなかった。
あのコの所に停車したままだと思ってたあたしの心は、自分でも知らない間に、もうとっくに動き出していたのかもしれない。
そんなあたしとは逆に、地下鉄の窓の外に見えるあのコが名残惜しそに見えたのは、あたしの思い過ごしだったんだろうか。
あのコはあたしの乗った電車が出るまでそこにいて、バイバイと手を振ってあたしを送ってくれた。
動き出した電車の中からそんなあのコを見ながら、手を振り返して、終わったな、とあたしは心の中でつぶやいた。
もう悲しくはなかった。







それからしばらくして、あたしはのエプロンの子と別れて、後輩と一緒に暮らすようになった。
修羅場だとかドラマだとか色々あったけど。

その半年後くらいに、あのコがメールで結婚を知らせてきた。
相手はあたしもよく知っている日本人の男子だった。

クルーズの船の上で結婚式するんだけど、natちゃん来る?

冗談なのか本気なのかよくわからないそのメールにあたしは、そこまでの飛行機代とか全部出してくれるんなら出てもいいけど、ってこれまた冗談なのか本気なのかわからない返事を返しておいた。

それからさらに半年くらいして、あのコはアメリカの大学院を卒業して日本の大学の医学部に入ったとメールをよこしてきた。
あのコの大学院でのメジャーはコミュニケーションだったし、医者になりたいとかって話も聞いたことがなかったし、さすがにその知らせには驚いた。
アメリカで博士課程を続ける旦那とは当分別居生活なんだとか。

それからはお互いに音信普通になっていたんだけど、何年かぶりにメールを送ってみると、そのメールはあのコには届かずに戻ってきた。
あのコのメールアドレスが大学のアドレスだったから、きっと卒業したんだ。
どうしてるのか気になったからGoogleであのコを探してみたけど、医学部時代の研究論文しか出てこなかった。
あのコの旦那を探してみたら、アメリカで大学の先生になってた。
カーレースなんかをやっててとんでもなく危ない車の運転をしていたそいつは、丸々と太ってただのおやじになっていた。
その写真を見ていると、何となく、あのコもそこにいて、子供の一人や二人くらいいるんだろうなって思った。

あたしは当時使っていたメールアドレスはもう使わなくなったけど、あたしの本名を知ってるヒトならその気になればGoogleで簡単にあたしを見つけることができる。
なのに、何の音沙汰もないってことは、あのコはきっとあたしのことなんて忘れてしまったか、思い出す暇もないか。
そう思うと正直ちょっと淋しいよ。

辛いことや悲しいこと、いろんなことがあったけど、あのコのことは本当に心の底から死ぬほど好きだった。
もうあんなに誰かを好きになることは、この先もないかもしれない。
あのコでよかった、あたしの初恋。
あたしの心にはいつも、これからも、ずっとあのコだけの場所があるから。

You'll always be the one...





As I lay me down to sleep
This I pray
That you will hold me dear
Though I'm far away
I'll whisper your name into the sky
And I will wake up happy



fin...



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Comments

最終章・・・
待ってました。
終わっちゃって寂しいです。喪に服します。
次はエプロンちゃんと後輩ちゃんの「修羅場」ドラマを是非お願いします。
 
修羅場
書けと?!う~ん、う~ん、てゆーか、連載モノは懲りましたv-393
 
うおおおおおーーー!
胸が痛い・・・自分の初恋思い出すーー(涙)
と、とにかくありがとうございました!
 
>yukoさん
こちらこそ、こんな駄文に胸を痛めていただいてありがとうございます。
あんまり胸が痛む場合は、病院行ってくださいね(笑)
 

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nat

Author:nat
アメリカ在住延べ17年のレズビアン。New YorkからTexasを経てCaliforniaに辿り着きました。世間ではカタイと思われる仕事をしてますが、自由度の高いところが気に入っています。花も恥らう四十路真っ只中。無口なくせにボケ&ツッコミを忘れない根っからの大阪人です。

*写真は実物と似ても似つかないことがありますので、ご注意ください。

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