LESBIAN CINEMA PARADISE

カリフォルニアからレズビアンの映画情報を中心にお届けします。

 

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初恋-第十章


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ひと月の間に地球を反対向きに移動したら、時差ボケはちょうどいい感じになるんじゃないか、と思ったら大間違い。
時差ぼけに時差ぼけを重ね、もうすっかりココは何処?アタシは誰?の不思議世界に到達してしまいました

そんなnatが飛行機の中で書いた初恋シリーズ第十章をお届けします。



序章  第一章  第二章  第三章  第四章  第五章  第六章
第七章  第八章  第九章



あのコと一緒にドレスを買いに行ってからは、またいつもの日常に戻っていた。
あたしの方からあのコにパーティーのことを訊くこともなかったし、あのコから話すこともなかった。
北国のその街は短い秋を惜しみつつ、冬に向けて急速に準備を進めていた。
あたしの修士論文は相変わらず遅々として進まなかった。

late fall

そんなあたしの元にある日一通の手紙が届いた。


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それは、日本の面接先の一つからだった。

「12月からうちに来てもらえませんか」

え・・・

就職先ができた、という嬉しさを味わう間もなく、あたしはその12月という時期に戸惑った。
日本で就職って言ったら4月でしょ?何で12月なわけ???
もうすっかり4月から日本で仕事を始めるつもりでいたから、いきなり12月と言われて本当にうろたえた。

どうしよう・・・

そして、もう一つの面接先からもオッケーの返事をもらって、そっちは4月からってことだったけど、条件としては12月開始の所の方が全然よかった。
少し迷って、12月初めにこの学期が終わり次第帰国しますのでよろしくお願いします、と返事をした。

それからはもう怒涛のような毎日だった。
12月の帰国の日までにやることが山のようにある。
アパートに退去通知を出して、車を売って、家具も売って、ああっ、肝心の修士論文!

論文なんてタラタラ書いてないで、気合入れたら一気に書き上げられそうなもんなんだけど、当時のあたしの英語の作文スピードは2時間かかっても2行書けるか書けないかだったから、どう逆立ちしたって帰国までに書き上げられるわけない。
だけど、この就職は滅多にないチャンスだし。
大学院の指導教官に相談したら、修士論文を仕上げないで帰国するのは勧めないけど・・・、としぶしぶながら日本で論文の残りを仕上げることを了承してくれた。

そして、車と家具の処分。
黄色いスーツケース一つでこの街に来たはずなのに、去るときには2LDKのアパートを埋めるだけのの家財道具と車があった。
これを持って帰るわけにはいかない。
だけど、日本でも車や家具なんて自分で処理したことなかったのに、アメリカでそれをする羽目になるとは・・・
何度も言ったけど、当時はインターネットなんてなかったから、こういう中古品の売買はもっぱら大学構内の張り紙に頼るしかなかった。
まずは、車。
でも、車はこの街を去る最後の日まで必要だから、そういう条件で買ってくれる人を探さなきゃ。
中古車の個人売買を電話で、しかも英語でやり取りするのはとても不安だった。
けど、そんなことを言っている場合じゃなかったので、キャンパスのバス停に張り紙をして、しばらくしたら問い合わせの電話があった。
それが何と、この秋にココの大学に来たばかりだという日本人の若い夫婦だった。
この夫婦がとてもいい人たちで、あっというまにあたしの赤い車に買い手がついた。

そういえばこの赤い車、それまで故障なんて一度もなかったのに、買い手が決まった途端にある日突然道端でパッタリ止まって動かなくなった。
AAA(日本のJAFみたいなもの?)を呼んでレッカーしてもらって大変だったけど、今思うとあの赤い車、売られてしまうのがわかったのかな。

そして残るは我が家の家具たち。
当時はインターネットだけじゃなくてデジカメなんてものも存在しなかったから、今ならデジカメで撮った家具の写真を一緒に印刷したムービング・セールの張り紙は当たり前だけど、あの頃は興味のある人には直接アパートで実物を見てもらうしかなかった。
そうなると、知らない人がひっきりなしにうちに出入りすることになるし、その上コレはまだ必要だから一ヵ月後に引取りに来てって言うわけにもいかないから、今売ってしまったら不自由な生活を強いられることになる。
どうしよう・・・
なかなか決心がつきかねていた。
そんな時、ちょうど大学院のクラスメートをアパートに招待してちょっとしたお別れ会のようなものを開くことになった。
英語もまともに聞き取れないし、喋れないあたしにみんなとても親切にしてくれて、自分の家に呼んでくれてご馳走してくれたりしたのに、あたしときたら(日本人以外は)誰もうちに呼んだことがなかったから、最後に一度くらい、とみんなまとめて招待した。
そのパーティーの場で、誰かがこの家具たちをどうするんだ?と訊いたので、売るつもりだけど、と応えたら、How much is this? How much is that? と突然その場がセール会場のようになって、あれよあれよと言う間に主な家財道具は買い手がついてしまった。
しかも、引っ越すまでまだ必要だろうから、って引き取りは引越し直前でいいとみんな言ってくれた。
らっきー

だけど、その時に欲しいと言われても売らなかったモノが実はいくつかあった。

それはあのコが譲って欲しいと言ってたモノたちだった。



帰国がいよいよ間近に迫ったある日、あたしはあのコに電話をした。


欲しいって言ってたモノたち、お取り置きしてあるけど、どうする?

あ、もらいに行く!


そんなわけで、数日後にあのコがうちに来ることになった。

あたしはその日に一生一代の大勝負に出るつもりだった。
これが最後だから。
あのコにボーイフレンドがいようが何だろうが構うもんか。
アイツからあのコを奪ってやるっ。

実際は何をどうするつもりなのか自分でもよくわからなかったけれど、気合だけは十分だった。

そしていよいよ、勝負の日。
アパートにはあのコのためのお取り置きと、あのコが使っていたFUTONだけが残っていて、ガランとしていた。FUTONは、車の買い手の若い日本人夫婦に譲ることになっていた。

そろそろあのコを迎えに行く時間だ・・・

すると、電話がなった。


natちゃん、あたし。
ごめん、荷物、もらいに行けない。
マーチンが行って欲しくないって・・・


・・・
そう。
わかった。
じゃ、もう逢えないけど、元気で。


アイツはあたしのカクゴに気がついたんだろうか。
電話機の置いてあるキッチンの白い壁を見つめながら、あたしは気持ちが動転しているのを悟られないように、精一杯冷静に、生まれて初めて本気で惚れたコにサヨナラを言って、半ば一方的にその電話を切った。

終わった・・・

ぼうっとした頭で色々考えようとしたけれど、頭の中は真っ白で、あたしはそのガランとしたアパートを見渡した。

このお取り置きたち、どうしよう・・・

捨てるのは勿体無いし、今更もらってくれる誰かを探すわけにもいかない。

すると、ボーっとした頭とは別に身体が勝手に動いて、気がついたらあたしはそのお取り置きたちを全部赤い車に詰め込んでいた。
一人でアパートの部屋と駐車場を行ったりきたりして、車のトランクと後部座席がいっぱいになった。
その中にはあたしが大切に育てていた植木もあって、あのコがそれを欲しいと言ってくれて実はとても嬉しかったんだ。

そして、あたしは赤い車を走らせてあのコの所へ向かった。

この地を去るあたし。
アイツを選んだあのコ。

諦めなきゃ・・・

諦めなきゃ・・・

諦めるんだ・・・

頭の中で呪文のように唱えながら、車を走らせた。
そして、あのコがマーチンと住む家に着くと、玄関の前にそうっと車を止めて、あたりの気配をうかがった。
あのコはこの家の中にいるはず。
マーチンもきっと・・・

あたしは、誰にも気づかれないように、物音を立てないようにして、お取り置きたちを一つ一つその玄関先のポーチに降ろした。
そうして車から荷物を全部降ろした後、あたしは、玄関の呼び鈴を一度押して、急いで車に戻ってその場を立ち去った。
バックミラーにその家から出てきたあのコが写った。


サヨナラ、あたしの初恋。
大好きだったよ・・・
ずっと、これからも。


次の日、あたしは5年間暮らしたその北国の街を出て、アメリカを後にした。





And I will love you, baby - Always
And I'll be there forever and a day - Always
I'll be there till the stars don't shine
Till the heavens burst and
The words don't rhyme
And I know when I die, you'll be on my mind
And I'll love you - Always



十一章に続く


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テーマ : 女性同士の恋愛。    ジャンル : 恋愛


Comments

待ってました!!!
殆ど最近は「初恋」の続きが読みたくてお邪魔しているのです。本当にお待ちしておりました。
帰っちゃだめだよ!って思いながら読みました。
最終章・・・読みたいような、読みたくないような・・・。
 
すみません、せっかくこんな拙文を楽しみにしていただいているのに、お待たせばかりしてv-435
そか、帰らないって手があったんですね!(←気がつかなかった人v-356
でも、帰っちゃったし・・・(苦笑)
最終章はあまりお待たせしないようにがんばりますっ。
 

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Author:nat
アメリカ在住延べ17年のレズビアン。New YorkからTexasを経てCaliforniaに辿り着きました。世間ではカタイと思われる仕事をしてますが、自由度の高いところが気に入っています。花も恥らう四十路真っ只中。無口なくせにボケ&ツッコミを忘れない根っからの大阪人です。

*写真は実物と似ても似つかないことがありますので、ご注意ください。

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