LESBIAN CINEMA PARADISE

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初恋-第六章


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その夜のことがあって、あたしはそれまで抑えていたあのコへの気持ちが堰を切ったようにあふれ出てきて、あのコのことが欲しくて欲しくてたまらなくなった。
子供の頃からあれが欲しいこれが欲しいって言って親を困らせることはあまりなかったんだけど、一度欲しいって口に出したモノは絶対手に入れなきゃ気がすまない性分だったから、そういう自分を自分で持て余していて、どうしていいかわからなかった。

あのコにはボーイフレンドがいるし、強引にして嫌われるのも怖かった。
自分を抑えなきゃ、我慢しなきゃって思った。
それに、こんなこと言ったら軽蔑されそうなんだけど、よくなかったんじゃないかって、それが気になってた。
だって、初めてだったんだもん。
今なら女の子を気持ちよくさせる自信はそれなりにあるんだけど、あの時は、本当に自分で自分がなにやってんのかもわかってなかったから。
次はもっと上手にするから、ってそんなバカなこと思ってた。


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あのコもあたしも、あの夜のことには一切触れなかった。
あのコはその後も何もなかったかのように振舞おうとしてるみたいだった。
だけど、あたしは、あふれ出した気持ちにもう一度蓋をするなんてことはできなくて、それからも何度もあのコに触れようとした。
あたしが近づくと、あのコもあたしが触れるのを待っているような、微妙な空間で戸惑っている風だった。

ある時、アパートのダイニングの椅子に腰掛けているあのコを、たまらなくなって背後から抱きしめた。
あのコは抵抗することもなく、しばらくあたしに身体を預けてじっとしていた。
そして、あたしはあのコの首筋にキスをして、手を下にずらして行った。
すると、あのコは急に身体を硬くして、

ダメ・・・

って。
それを聞いて咄嗟に、どうして?って訊いたあたしに、あのコは。

女の人とそうなると色々ややこしいから、

そうハッキリ答えた。

何も、言えなかった。
マーチンが好きだから、とか、natちゃん下手だから、とか、言わなかったのはあのコの思い遣りだったのかもしれない。
だけど、あのコのその返事はあたしには決定打だった。
あんなにわかりやすい振られ方をしたのは、あたしの人生で後にも先にもあの時だけ。
あのコは、あの頃のあたし以上に、女同士でつきあうとか恋愛関係になるとかいうことがどういうことなのか、きっとよくわかってたんだと思う。
あたしにはどうすることもできない現実をそんな風にあのコに目の前に突きつけられて、あたしは黙り込むしかなかった。

だけど、それでも、あたしにはあのコを諦めることはできなかった。
あの頃は、あのコの言ったことの重さが理解できなくて、あのコに嫌われたわけじゃないし、「そんなこと」が理由ならまだチャンスはあるって思ってた。
実際、それからもあのコはあたしを避けるわけでもなく、それまで通りにしてたから。


そうして、あのコと過ごした短い夏は足早に過ぎていった。

あのコは夏期講習が終わって、次の秋学期が始まるまでの間日本に帰ることになった。
その見送りを、あのコは、マーチンではなくてあたしにさせてくれた。
あの時あたしはそれを自分の都合のいいように解釈して、嬉しくて舞い上がっていたんだけど、それはひょっとしたらマーチンもベルギーに帰っていなかったからだったのかもしれない。そんな事を随分後になって思ったよ。

アパートから空港までの20分程の距離を、あのコを乗せてあたしの赤い車は走った。

あの頃のアメリカのローカル空港はまだ9・11の前で、規制なんてほとんどなくて、まるで電車に乗って旅する人をホームで見送るように、送迎の人たちもゲートの前まで行って見送ったり出迎えたりすることができた。

あのコが乗る飛行機の待つゲートの前で、あのコとあたしは搭乗案内を待っていた。

本当は、空港で見送るのも見送られるのも、あたしは好きじゃない。
あたしにとっては、空港は、色んな人との別れを繰り返してきた場所だから。

電話してもいい?

そう訊いたら、あのコは黙って頷いた。
淋しかった。
あのコと逢えないなんて。
だけど、この数週間はあのコがマーチンに逢うこともないんだと思うと、少し気が楽だった。
あのコの乗る飛行機の搭乗が始まっても、なかなかあのコはその場から動こうとはしなかった。
搭乗の列が途切れたとき、やっとあのコは、行くね、と言った。
あたしは、あのコを抱きしめた。

I'll miss you...

耳元でそう小さく囁いて、頬にキスをした。

周りの人は、きっと、仲のいい友達同士なんだって、みんなそう思ったに違いない。
女同士だから・・・
ハグだってキスだって、アメリカじゃ友達同士でも姉妹でもする。
でも、そんなんじゃない!

バックパックを背負った背中を見つめていると、あのコは一度こっちを振り返ってバイバイと手を振って、搭乗口に吸い込まれて行った。

またすぐあたしの所に帰って来るんだから、あの時あたしははそう自分に言い聞かせていた。




but I'm the only one
who'll across the fire for you
i'm the only one
who'll drown in my desire for you
it's only fear that makes you run
the demons that you're hiding from
when all your promises are gone
i'm the only one



第七章に続く


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Author:nat
アメリカ在住延べ17年のレズビアン。New YorkからTexasを経てCaliforniaに辿り着きました。世間ではカタイと思われる仕事をしてますが、自由度の高いところが気に入っています。花も恥らう四十路真っ只中。無口なくせにボケ&ツッコミを忘れない根っからの大阪人です。

*写真は実物と似ても似つかないことがありますので、ご注意ください。

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