LESBIAN CINEMA PARADISE

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初恋-第三章


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初恋-序章
初恋-第一章
初恋-第二章



夏が来て、若いツバメと入れ替わりにうちのアパートに引っ越してくることになったあのコ。
その直前に、あのコから突然こんなことを打ち明けられた。


マーチンとつきあうことにしたの・・・


えっ、なんで?


それは、本当に何の前触れもなくあのコから聞かされたことで、咄嗟にあたしの口から出たのはそんな無粋な質問のような詰問のような言葉だった。


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だって、つきあってくれなかったら泣くって言うし、かわいそうだから・・・


そんな理由で男と付き合うんかいっ!ってツッコミを入れたかったけど、それはたぶんあのコの最大限のあたしへの思い遣りなんだろうって、何となくそう思ったから、


なんだそりゃ(笑)


って笑ってすませた。
本当は、あのコの思い遣りが、とても、有難かった。

マーチンってのは、あのコが留学生の集まりで知り合ったというベルギー人の若い男の子。
あたしも一度会ったことがあるけど、割とフツーな、男前というよりかわいい感じの男の子だった。

その日から、あたしの中で密かに一方的なマーチンとの戦いが始まった。

でも、あたしの対抗意識を知ってか知らずか、その後もあのコは、マーチンとつきあってるなんてことを一切感じさせなくて、あたしと一緒にいるときはそれまでと何も変わらなかった。
普通、女の子はボーイフレンドができるとベッタリになって、何をするにもどこに行くにも、二人セットになる。特にアメリカではそれが顕著。
1という単位がなくなって、2が単位。
なのに、あのコはあたしの前でマーチンをちらつかせることはほとんどなかった。
買い物や食事に誘っても、マーチンに訊いてみる、とか、マーチンと約束があるから、なんて言うことはなくて、いつものようにあのコは一人であたしに付き合ってくれた。


あのコの引越しも、マーチンが手伝うんだって、てっきりそう思っていた。
実は、あのコの引越しの日には、あたしは日本に帰ってていないから、マーチンが手伝うんだったら顔あわせなくて済むし、丁度いいや、と思ってた。
でも、あのコは、他の日本人の男の人たちが手伝ってくれるから、とそう言った。
なんだか、ほっとした。

その後もマーチンのことをあたしからあのコに訊くことはほとんどなかったし、あのコから話してくることもなかった。

そんなわけで、夏の初めにあたしが2週間ほど日本に帰っている間に、あのコはうちに越してきた。
あたしがこっちに戻ってきたときに、あのコはアパートにいなくて、こっそりあのコの部屋を覗いたら、荷物がとても少なくて驚いた。
あのコの部屋には、あたしが来客用に買ったFutonが床に敷いてあって、他には家具も何にもなかった。
それまで大学の家具つきのアパートに住んでたから、当たり前か。
それに、キッチンとかリビングの家具は、あたしが全部そろえてあったし。

そうして、ルームメートとなったあのコとの暮らしが始まった。


でもね、実はこのあたりの記憶がまたすっぽりと抜け落ちていて、二人でどんな風に暮らしていたのか思い出せないよ。
あのコは車を持っていなかったのに、あのアパートからどうやって学校に行ってたのかなあ。
あたしが送り迎えしたのかなかなあ。
二人でご飯作ったりしたのかなあ。
あのコは確かお料理が好きだった・・・


二人で暮らすようになってから、一度、あのコをデートに誘ったのを覚えてる。
あのコはもちろん、デートだなんて思ってるわけはなくて、いつものようにあたしが行く?って訊いて、うん、ってついてきただけ。

大学院から車で20分くらい走った山の中に、その小さな湖はあった。
あたしは川のそばで生まれて育ったから、どこの地で暮らしても、いつもどこかで水を求めている。
大学院から海までは6時間くらい走らないといけなかったから、この湖は手軽に行ける水のある場所だった。
たまに一人でやってきては、ぼーっとその懐かしい水に包まれて忘れていた自分を思い出す。


湖、行ったことある?


と訊いたら、行ったことないって返事が返ってきた。
てっきり、マーチンが連れて行ってるだろうなと思っていたから、あのコその返事は意外だった。

そしてある夏の初めの日の午後、赤い車でたどり着いた、山の中の小さな湖。
夏の盛りの頃には水遊びに来る家族連れで賑わうところだけど、まだ水遊びをするには水が冷たすぎて、あたしたちの他にはちらほらとカップルや子供連れがいる程度だった。


lake.jpg



湖畔を少し歩いて、砂浜になっているところで立ち止まって、目の前に静かに広がる深緑の湖を二人でただ見つめていた。
あのコに触れたい、そんな衝動を一生懸命抑えながら、そんな自分を悟られないように、ってしてるといつも以上に無口になった。
あのコから離れて、後ろにあるベンチに一人で腰掛けて、湖と戯れているあのコをただじっと見つめていた。
眩しかった。
しばらくして、あのコはベンチにやってきてあたしの隣に腰掛けた。
何だかあのコも、いつになく無口でしぐさがぎこちない。
緊張してるのかな・・・
日が傾いてきて、あのコが少し寒そうにしたから、あたしは自分の着ていた上着を脱いであのコに渡した。


ほら、これ。

natちゃん、寒くないの?

うん、寒くない。


そう言ったら、あのコはその上着を羽織って、またしばらく二人で黙り込んで湖を見つめていた。

湖には白鳥が浮かんでいた。




you gotta be bad, you gotta be bold
you gotta be wiser, you gotta be hard
you gotta be tough, you gotta be stronger
you gotta be cool, you gotta be calm
you gotta stay together
all I know, all I know, love will save the day



第四章へ続く


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テーマ : 女性同士の恋愛。    ジャンル : 恋愛


Comments

こんにちは。もう本当に涙が出そうだ…。
一冊の上質な小説を読んでいるようです。
って前も似たようなことを書いたけれど本当にそんな感じです。

Lesibianである事が死を意味する時、雇用差別、色々な問題をこのブログで学んで考えさせられ、日常生活に忙殺されて忘れている気持ちや生き方やそういうことを本当に大事に思う事の大切さを思います。ってなんか意味不明に聞こえるかもしれないんだけど。

初恋シリーズ、終わらないで~~~
喪に服しちゃう。
 
Re: タイトルなし
>Natsuさん
コメントありがとうございます。そんな風に言ってもらえるとブログり(?)甲斐があります。
初恋シリーズはまだ終わりませんよー(笑) あと二回かな、三回かな? 書いてみないとわからない行き当たりばったりシリーズですv-435

 

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Author:nat
アメリカ在住延べ17年のレズビアン。New YorkからTexasを経てCaliforniaに辿り着きました。世間ではカタイと思われる仕事をしてますが、自由度の高いところが気に入っています。花も恥らう四十路真っ只中。無口なくせにボケ&ツッコミを忘れない根っからの大阪人です。

*写真は実物と似ても似つかないことがありますので、ご注意ください。

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